動画編集を始めたばかりの人や、これから始めようと考えている人は、
「動画編集1本あたりの金額っていくらなんだろう?」
という疑問に当たることがあると思います。
実際に動画編集の発注から受注までを経験している私が、動画編集の単価について解説します。
単価は動画の種類・クオリティ・尺 などによって数千円〜数百万円まで、かなりの振り幅があります。
また、人によって感覚が違いますし、時代によっても変わるでしょう。
こちらの情報は絶対ではありません。あくまで私個人の見解ですのでご了承ください。
オリト
週7時間労働のフリーランスWebクリエイター。
子供2人と妻と暮らしています。
元・月収100万円の営業マン。
2021年から動画編集を仕事として始め、フリーランスとして独立。
独学で動画編集・デザイン・Webサイト制作を学び、1年後には月収100万円を達成。
「動画編集」「フリーランス」について情報発信をしています。
noteでも発信しています。
→noteはこちら
動画編集の金額の相場(1本単価)
「動画編集の仕事」といっても、動画の種類は様々です。
例えば次のような動画があります。
- YouTubeチャンネルの動画
- TikTokのような、縦型のショート動画
- 広告用動画
- ミュージックビデオ
- 製品、サービスの紹介動画
- 会社案内の動画
- Web CM動画
- テレビCM動画
他にもまだまだあると思いますが、このように種類が多いため、種類ごとに説明します。
金額の一例
YouTubeチャンネルの動画の場合
現在ではYouTuber(ユーチューバー)だけでなく、企業もYouTubeチャンネルを持っていることが多いでしょう。
YouTubeチャンネルの動画編集の相場は以下の通りです。
【編集費用 一例】
・5〜15分程度、解説系、テロップあり:5,000円〜30,000円程度
・10〜30分程度、バラエティ系、派手な演出などが多め:10,000円〜50,000円程度
※あくまで一例です。これより高い場合もあります。
※動画の内容、編集クオリティ、修正回数、有料素材の有無、などにより大きく変化します。
また、これ以外にかかる費用として以下のようなものがあります。
・企画、構成、絵コンテ作り
・撮影費用(撮影機材、人件費、技術料、交通費など)
・チャンネル運用(動画のアップロード、タイトルや概要欄の文章設定など)
・サムネイル制作(動画のトップ画像)
動画編集作業以外のものをまとめて「ディレクション費用」と言ったりもします。
ディレクションと動画編集をまとめた金額で依頼される場合もあれば、”動画編集だけ”という場合もあります。
私の個人的な感覚ですが、初心者なら5,000円くらいから始めてもいいと思いますが、実力がついてきたら数万円の案件を探したほうがいいと思います。
縦型ショート動画の場合(TikTokなど)
TikTok(ティックトック)、YouTube Shorts(ユーチューブ ショート)、Instagramのリール動画など、最近は縦型のショート動画が流行っていますね。
これらも発注することができますし、クリエイターの方々は仕事として受けることができます。
【編集費用 一例】
・60秒の動画:3,000円〜10,000円
(撮影、ディレクション費用などは別途)
※あくまで一例です。これより高い場合もあります。
※動画の内容、編集クオリティ、修正回数、有料素材の有無、などにより大きく変化します。
「数十秒の動画なんだから、500円とか1000円でやってくれないかな?」という発注者の方をたまに見かけます。
しかし、はっきりいって安すぎると思います。
たしかに納品するものは”たった数十秒の動画”ですが、クリエイターは様々な作業と時間を要します。
- 受注して内容を確認
- 編集作業(数十分〜数時間)
- 確認作業、微調整
- 納品連絡、チェック待ち
- 修正があれば修正作業、納品
というふうに、様々な作業とコミュニケーションコストがかかります。
それを考えれば1,000円などという価格で受けたくないでしょう。
製品、サービスの紹介動画の場合
企業の製品やサービスを紹介する動画もあります。
この場合は、おそらく撮影から編集までをまとめて受けることの方が多いと思われます。
【撮影+編集費用の一例】
完成尺3分程度の、製品・サービス紹介動画:150,000円〜1,000,000円程度
※あくまで一例です。これより高い場合もあります。
※動画の内容、編集クオリティ、修正回数、有料素材の有無、などにより大きく変化します。
こちらも非常に金額帯が広いです。
小さい会社だと15万円くらいの案件になったりします。
大きな企業だと普通に100万円くらい出すところもあります。(それ以上もあるでしょう。)
金額が高いほうが、当然求められるクオリティはとても高くなります。
撮影機材も高価なものになったり、撮影スタッフの人数も増えたり、という感じです。
最初に発注者の方に、ざっくりの予算を教えてもらうといいでしょう。
そして、「その金額だとこのくらいのクオリティの制作物ができそうです。」というふうにサンプルなどを提示してあげると丁寧です。
また、しっかりと見積書を作成して「言った・言わない」が起こらないようにしたほうがいいです。
YouTubeチャンネルのオープニング動画やエンドカードの制作の場合
YouTubeチャンネルの動画でよく見ると思いますが、オープニング動画や”エンドカード”と呼ばれるものが入っていることがあります。
こちらはYouTubeチャンネル動画の編集とは別の仕事として存在しています。
【制作費用の一例】
・オープニング映像(撮影無し、10秒程度):20,000円~100,000円程度
・エンドカード(静止画):5,000円~20,000円程度
※あくまで一例です。これより高い場合もあります。
※内容、クオリティ、修正回数、有料素材の有無、などにより大きく変化します。
クラウドソーシングサイトの仕事は安すぎる?
基本的に、”クラウドソーシングサイト”と呼ばれる場所で募集がかけられている仕事は単価が安すぎるものがほとんどです。
クラウドソーシングサイトというのは、発注者と受注者をつなぐサービスのサイトです。
代表的なところでは、クラウドワークス・ランサーズ・ココナラなどが有名です。
その中のすべての仕事が安すぎるとは言いませんが、私の印象では8〜9割の仕事が安すぎる単価で募集されています。
「1本500円」なんて仕事も見かけます。
また、「10,000円〜」と書かれているのに詳細を見たら「10本 10,000円」だったり、なかなか酷いです…。
私はまだ初心者の頃に、クラウドワークス経由で1本単価5,000円の仕事を受けていました。
そのお仕事を数ヶ月続けて、クライアントに単価交渉をして、10,000円にしていただきました。
なので、次のような場合は数千円の単価でも受けてもいいと思います。
- 経験を積むために受ける
- 実績を作るため受ける
- のちに単価交渉をする
私個人の考えでは、初心者は1本 5,000円くらいを目安に受けてみると良いと思います。
発注者目線と受注者目線で考えてみる
発注者の目線
発注者としては、次のような希望があるでしょう。
- 安心して頼める、常識のあるクリエイターに頼みたい
- 費用はできるだけ抑えたい
- クオリティが知りたい
- 発注から納品までがどんな流れか知りたい
- 動画を使うことで、自社(もしくは自分)にどれだけの利益が見込めるか知りたい
- アドバイスや提案もしてくれるクリエイターに頼みたい
とにかく「安心して頼める人」「ちゃんと実績がある人」に頼みたいはずです。
受注者の目線
受注者としては、次のようなことが気になると思います。
- 安い単価では受けたくない
- 良い関係性が築ける発注者と仕事がしたい
- クオリティに満足してもらえるか不安
- 他のクリエイターとの差別化を図って、選ばれたい
良い仕事の受け方は?
まずは発注者のニーズを考え、
- ある程度の編集レベルを習得する
- 仕事を受けてから納品までの流れを説明できるようにしておく
- 相手にどんなメリット(利益)があるか説明できるようにしておく
- 自分からクライアントへの提案も心がける
このあたりを心がけておくと良いでしょう。
その上で、
- 安すぎる単価の仕事は受けない
- 態度の悪そうな人の仕事は受けない
- 丸投げされそうな仕事は受けない
こういった点にも気をつけることで、トラブルを防げます。
「早く仕事を受けなきゃ!」と焦ってしまうと、ついつい安い単価でも受けたくなってしまいますよね。
しかし、安い仕事ばかり受けていると消耗してしまいます。何でもかんでも飛びつかないことも大切です。
仕事に応募したり、発注者と面談や打ち合わせをしている途中で「この人とはフィーリングが合わなさそうだ」と思ったら、辞退するほうが良いと思います。
私も何度か経験がありますが、仕事を受ける前の時点で発注者の態度が失礼だったり、横柄な人柄の場合は、その後の仕事でトラブルが起きやすいです。
たとえ金額が高かったとしても、ストレスや時間のコストを考えれば受けないほうが良いでしょう。
逆に、すごく丁寧な進め方をしてくれる発注者や、気遣いが感じられる発注者の場合は安心して仕事ができると思います。
動画編集を、高い単価で受注するには?
クリエイターが高い単価で仕事を受けるためにはどうしたらよいでしょうか。
私の意見では、以下のような方法があります。
- クオリティを上げる
- 作業スピードを上げる
- ディレクターからではなく、チャンネルのオーナーから直接受注する
- 人脈を作る
①”クオリティを上げる”
これは当然のことですが、発注者にポートフォリオを見てもらって「編集のクオリティが高い」と感じてもらえれば、安い金額で請け負わなくて済むでしょう。
また、継続で受けている仕事でもクオリティをどんどん上げていけば、単価アップの交渉がしやすくなります。
②”作業スピードを上げる”
例えば単価1万円の仕事を受けたとして、10時間かかっていたら時給換算で1,000円です。
作業の効率化を図り、スピードを上げて5時間で納品できるようになったら、時給換算で2,000円になります。
まずは作業スピードを上げることを意識すると良いでしょう。
③”オーナーから直接受注する”
クラウドワークスやSNSで流れている仕事には、2次受けや3次受けの仕事が多くあります。
チャンネルを管理している企業やYouTuberから直接仕事を受けるのではなく、間にディレクターが入っている、ということです。
当然ディレクターが多く費用をもらっているので、その下請けのクリエイターの金額は安くなりがちです。
自分で営業して、直接仕事を受けられるようになると単価も上がっていくでしょう。
④”人脈を作る”
一度仕事をしたクライアントから見てあなたの評価が高いと、仕事を紹介してくれる場合があります。
また、動画編集をやっている仲間と横のつながりを持っておくと、そこから仕事の話に繋がるケースもあります。
紹介の仕事だと、金額は安くなりにくいです。
私は”紹介”してもらった仕事がかなり多く、自分からはあまり営業せずに仕事を取ってこれました。
なので、目の前の仕事をしっかりこなしてクライアントの満足度を上げることも、単価の良い仕事を増やすきっかけになります。
修正回数を決めておく
クリエイターの方は、”修正回数を決めておく”というのも重要です。
なぜかというと、何度も何度も修正が重なるとそれだけ時間を使うことになり、時給換算での金額はどんどん下がってしまいます。
実は、こういった制作物を納品する仕事では”修正回数は●回まで”と決められていることが多いです。
私自身、会社勤めの時に”LP”という1枚のWebページを制作会社に発注した経験があるのですが、制作会社からあらかじめ「修正は2回までとさせていただきます。それ以上は別途料金がかかります。」と言われていました。
考えてみれば当然なのですが、「何度でも修正ができる」というのは本来おかしなことです。
人件費が無視されていることになります。
と言いながらも、私は特に修正回数を設けていません。笑
なぜかと言うと、今お付き合いしているクライアントさんたちは何度も修正を依頼してこないからです。
1回の修正があるかないか、という状況なので、そういう場合は修正回数は無理に決めなくてもいいと思います。
どちらにせよ、”自分の時給単価を下げないために、修正回数を決めておく”という考え方は、頭に入れておいて損はないでしょう。
安くても受けた方がいい案件もある
クリエイターの方々は、基本的には安すぎる案件は受けない方がいいと思います。
しかし、中には安くても受けたほうが得をする案件もあります。
以下のような案件です。
- 実績を作るための案件
- スキルアップや貴重な経験ができそうな案件
- 先の仕事につながりそうな案件
こちらの詳細は別記事で解説をします。(準備中)
動画編集で実際に、いくら稼げる?
では、実際に動画編集でどれくらい稼げるのでしょうか?
月収の一例を挙げてみます。
↓
【例1】
・副業で週12時間を動画編集作業に使うことができる。
・1本 5,000円の案件を4時間で納品できる。
この場合、月48時間とすると、
月48時間 ÷ 4時間 × 5,000円 = 月60,000円
という計算になります。
1日2時間くらい捻出できて、案件も無駄なく受けられれば6万円くらい稼げるということですね。
ただし、都合よく案件があるとも限りません。これは計算上の話です。
もう1つの例を出します。私が経験した実際の例です。
↓
【例2】
・フリーランスで1日 6〜7時間を使える。
・1本単価 22,000円で、4時間で納品できる。
週に7本納品していたので、月29本くらいと仮定すると、
29本 × 22,000円 = 638,000円
このように、2万円くらいの継続案件が月に30本近くあると、60万円以上稼げます。
これ以外にも不定期の動画編集の仕事があったり、Webサイト制作の仕事なども受けていたのでトータルの収入はもう少しありました。
最初はなかなか数万円の案件を受けるのが難しいですが、基本的な編集を覚えて、営業も上手くなれば単価を上げていくことができます。
まとめ
以上、動画編集の費用の相場・単価について解説しました。
まとめると以下のようになります。
- 動画の内容や、仕事として受ける範囲によって費用が大きく変わる。
- YouTube用の動画<10分尺、撮影依頼無し、運用依頼無し、解説系動画>
この内容で1本 20,000円以上になることが多い。
(クライアントから直接受けた場合) - 実績を積んだら、安い金額で受けないように気を付ける。
- クラウドソーシングサイトの仕事は安いものが多い。
- 発注者は、社会人としての常識があり、制作実績があり、提案内容が具体的なクリエイターに魅力を感じる。
- 月数万円〜100万円くらいは稼ぐことができる。
最後にもう一度お伝えしますが、金額についてはあくまで私個人の感覚で書いています。
また、制作物の内容・クリエイターのレベル・コミュニケーションコストなどによっても大きく変わりますのでご了承ください。
みなさんにとって、より良いお仕事の流れができることを願っています。
このブログでは、クリエイターになってお金を稼ぐ方法や、
フリーランスとして独立するための情報などを発信しています。
ぜひ他の記事も参考にしてください!
オリト
週7時間労働のフリーランスWebクリエイター。
子供2人と妻と暮らしています。
元・月収100万円の営業マン。
2021年から動画編集を仕事として始め、フリーランスとして独立。
独学で動画編集・デザイン・Webサイト制作を学び、1年後には月収100万円を達成。
「動画編集」「フリーランス」について情報発信をしています。
noteでも発信しています。
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